コラム
2019/7/10(水)
占いと神道の関係

占い師のなかには、神社やお寺に縁がある人もけっこういます。これは、古代から宗教と占いが密接な関係にあったからでしょう。キリスト教やイスラム教では、絶対神以外の力を認めていないので、基本的に占いは信ずべきものではないという教えになりますが、神道には厳格な教義や戒律というものがなく、神様の考えを知る手段として占いが重視されてきました。そこで今回は、神道と占いの繋がりについて見ていきましょう。
まず、神道と占いというと、神社で引くおみくじがイメージされます。吉凶を占う要素が多分に含まれているので、神社に参拝したときは絶対におみくじを引くという占い好きも多いかもしれません。また、神社ではさまざまな行事が催されます。神事として有名な相撲・綱引き・流鏑馬(やぶさめ)、他にもお祭りでいろんな勝負事をするのは、占いの要素もけっこうあるんです。単に勝敗を決めるのではなく、その結果から神様の意向を読み解いて、未来を予測しようという考え方が根本にあります。こういう結果になったら豊作になるとか、不作になりそうだから注意しなくてはいけないなど、農家の方が気にしているのを聞いたことがあるかもしれません。
その他にも、神道における儀礼に占いは関わっています。たとえば、天皇即位の際に行われる大嘗祭では、お供えする稲を出す斎田(さいでん)を、どこの地にするかは占いによって選ばれるんです。「亀卜(きぼく)」という占術により、今年の11月に行われる大嘗祭では、東日本の「悠紀(ゆき)地方」に栃木県、西日本の「主基(すき)地方」に京都府がそれぞれ選ばれました。こうして見ると、神道と占いはとても密接に繋がっていることが分かりますね。